
最高裁判所長官 様
犯罪被害者の権利利益が図られる判断を要請します
2025(令和7)年12月11日、福岡高等裁判所で、夫を殺された妻への犯罪被害者等給付金の支給を認めた一審判決に対し、公安委員会が不服として控訴していた裁判で「一審判決を取り消す」との判決がなされました。
犯罪被害者等給付金支給法(以下「犯給法」といいます。)は、第一条で「この法律は、犯罪行為により不慮の死を遂げた者の遺族…が再び平穏な生活を営むことができるよう支援するため、…犯罪被害者等給付金を支給し、…援助するための措置を講じ、もつて犯罪被害等を受けた者の権利利益の保護が図られる社会の実現に寄与することを目的とする」としています。
犯給法においては、第3,4条において原則給付金支給となっていますが、同法施行規則では、原則として事件当時、当事者間に親族関係がある場合は支給対象外、例外として親族関係が破綻している場合は支給、とされており、そもそも法律が委任している趣旨に反する規則といえます。
かかる法的問題はあるものの、一審判決は、同性パートナーにおける犯給金支給の可否を判断した最高裁令和6年3月26日判決(令和4年(行ツ)第318号、同年(行ヒ)第360号)判決に基づき、犯罪被害者等基本法および犯給法の目的と立法経緯等を踏まえ、事実関係を実質的・客観的に判断して被害者と加害者である実父との親子関係は事件当時すでに破綻していたと認定し、犯給金の支給を認めました。
ところが、控訴審判決は、被害者側の陳述や客観的に認められる事実関係の多くについて、「親子は人の身分関係として基本的かつ重要なものであり、親子間の情愛という根源的な感情やそれに立脚する社会秩序は、できるだけ維持尊重されるべきである」という価値観を前提に判断し、一審原告の主張を排斥し不支給としました。
この判決は、冒頭に掲げた犯罪被害者給付金支給法の趣旨に反し、極めて不当です。
私たちは、犯罪被害者等基本法に定める、犯罪被害者の権利利益を十分に保護し、安全で安心して暮らせる社会を実現すべきと考え、下記の通り連署の上、貴最高裁判所の公正な判断を要請します。

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