
福岡高等裁判所民事 部
裁判長 殿
塩川以知子さんが「再び平穏な生活を営むことができるように」
速やかに控訴棄却判決を言い渡すことを求めます
2019年3月25日、塩川以知子さん(被控訴人)は目の前で、夫の父親から夫を包丁で殺害され、自分も襲われ瀕死の重傷を負いました。
塩川以知子さんはこの事件で、犯罪被害者等給付金(遺族給付金)を請求しましたが、福岡県公安委員会は夫と義父との親族関係を理由に給付金を不支給としました。塩川さんは、国家公安委員会は2018年4月『親族関係が破綻している場合支給制限を受けない』と決定しているのに、福岡県公安委員会はこの事件での親族(親子)関係破綻を正しく見ていないと裁判に訴えていました。
2025年3月26日、福岡地方裁判所(林史高裁判長)は、「通常の社会生活上一般にみられるような親子としての交際や精神的なつながりを維持することが困難な状況」などの事実から、「本件犯罪行為が行われたときには、親子の間の親族関係は、親族関係の実態が失われており、その回復の見込みがあったとも言い難いのであるから、当該親族関係が事実上破綻しているものと同視することができ(る)」と認め、福岡県公安委員会の「不支給決定」を取り消す判決を言い渡しました。
目前で夫を殺害され、自分も瀕死の重傷を負わされた塩川さんの恐怖感や、重傷を受けた肉体的苦痛、精神的ショックは想像を絶します。今はただ一人の頼るべき夫を失い、受傷による後遺症とPTSDの治療の日々を送らざるを得ない状況であり、看護師という元の仕事に戻ることもできません。
塩川さんは地裁判決で治療に専念できると安心しましたが、公安委員会は被害実態を顧みることなく控訴しました。
私たちは、塩川さんが再び平穏な生活を営むことができるように、一日も早く犯罪被害者等給付金が支給される判決を要請いたします。
2025年 月 日
この要請に賛同します。塩川以知子さんが救われる公正な判決をお願いいたします。
(取り扱い代表団体)
一般社団法人 犯罪被害補償を求める会 大阪市北区西天満3丁目13-9西天満パークビル4号館6階